菓子工房ララフィール結局いとうさんの卵に
戻ってきました。
戻ってきました。
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パティシエ 野中正孝さん Masataka Nonaka
いとう養鶏場のある佐賀県武雄市山内町。
同じ山内町内に本店を構えるララフィールさんは、昭和12年創業の地元で愛されるケーキ屋さんです。
長いお付き合いをさせていただいています。
初めての直売。
- あやか
子どもの頃から、ケーキといえばララフィールさんでした。
- 野中さん
そうなんですね。オーナーパティシエがいとうさんとの取引を始めたのは10年ほど前と聞いています。
- あやか
はい、私も弊社の社長からそう聞きました。その頃は、卸売業者さんとしか取引していませんでした。卵を使ってくださる現場の方とお会いしていなかったんです。
ララフィールのオーナーさんと弊社の社長が集まりで知り合って「同じ町内の養鶏場さんなら、うちに卵を卸して欲しい」とお声かけいただいたそうなんです。いとう養鶏場にとっては初めての「直のお取引先」なんですよ。- 野中さん
そうなんですね。10年に渡るお取引の中で、実は1度だけ「浮気」をしたことがあると聞いています。もっと安くで買える卵に変えていた時期があるそうなのですが、鮮度の違いなのか、白身がうまく立たなかったりしたそうです。結局いとうさんの卵に戻ってきたそうです。特に、夏場に仕入れる卵には大きな違いが出たそうですよ。
そこからは、ずっといとうさんの卵にお世話になっています。佐賀と長崎で展開する3店舗全てのララフィールでいとうさんの卵を使っていて、1週間に200キロを納めていただいています。
常時30種類以上のケーキと、レギュラーの焼き菓子を用意していますがそのほとんどにいとうさんの卵が使われています。卵はケーキや焼き菓子に欠かせない食材です。
卵の鮮度でケーキの美味しさが変わる。
- あやか
ほとんどにうちの卵を使っていただいているなんて・・・。責任重大ですね。
うちの卵はどうでしょうか・・・(緊張)- 野中さん
農場直送で持ってきていただいていますので、鮮度は抜群ですよ。白身も黄身もプリッと盛り上がっています。極端な話、ケーキは鮮度の違いで味が違ってしまいますから、新鮮であることは最も重要なんです。スポンジの場合、白身の泡立ちが食感にダイレクトに影響します。いとうさんの卵の白身は力強くて、メレンゲがヘタレません。
しっとりしていながら弾力も感じられるスポンジは、職人の技術だけでなく、卵の鮮度と品質のおかげもあるんですよ。鮮度も信頼していますし、同じ町内なこともあって、山の上の方にある農場で、どんな環境が揃っているのかも知っているので安心して取引させてもらっています。
- あやか
ありがとうございます。そうなんです、山の上、標高350メートルにあるんです。不便ですが、その分水がきれいで空気もきれいなんですよ。昔ながらの開放鶏舎で、最新設備を備えた養鶏場にかなわないところも多々あるのですが、生まれたてのひよこさんに最初の餌付けをするところから育てています。鶏さんと毎朝対面して卵を集めることで、変化にも気付けると思います。
卵度がいちばん高いケーキは?!
- たいき
たくさんのケーキがありますが、この中で一番卵を使うケーキはどれなんでしょうか?
- 野中さん
ロールケーキです。ロールケーキの場合、1度に12台を焼くのですが、1回につき41個の卵を使っています。1台あたり3個以上の卵が使われていることになります。
長くご愛顧いただいている商品で、常連のお客様もリピートしてくださいます。- あやか
そうなんですね。地元の友達にはロールケーキをすすめておきます!(笑)
- たいき
黄身はどんなケーキで活躍できていますか?
- 野中さん
一年を通して考えるとたくさんあるのですが・・・あえて挙げるとすれば、ババロアでしょうか。しっかりと盛り上がった黄身で豊かな風味を作ってくれます。
ララフィールのスタッフは、みんな、お客様の笑顔が見たくて、お菓子を作っています。ケーキや焼き菓子は、誕生日や、お祝いや、ありがとうを伝えるシーンに使っていただけるものです。家族や大事な人たちと過ごすだけで人は笑顔になるものですが、ケーキやお菓子でもっと喜んでいただけたらと思っています。
- あやか
はい。これからも新鮮な卵をお届けしなくちゃと思いました。
- 野中さん
よろしくお願いします。新作のケーキもどんどん作りますので、養鶏場の皆さんで食べにきてくださいね。