タイマーの宿道の駅で食べ比べて決めました。
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オーナー 高岡盛志郎さん Seishiro Takaoka
話題のデジタルデトックスの宿へ
- あやか
今日はお世話になります!高岡さんといえば一本筋の通ったお仕事をされているというか、生きかたをされています。
だから卵のこと以外もいっぱい聞きたいなぁと思ってきました。- 高岡さん
えー・・・。ヤギがいます。笑
あと、客室にはコンセントがありません。
- あやか
高岡さんご夫妻のこだわり・・・といいますか生き方そのものが詰まった宿のことも聞きたいのですが、その前のこともお伺いさせてください。以前、レストラン「タイマーカリフォルニアキッチン」を営まれていらっしゃいました。その頃から、お料理への信念と美味しさは、佐賀の飲食業界では知らない人がいないくらい。
だから、高岡さんから「タイマーの宿でいとうさんの卵を使いたい」とご連絡をいただいた時はとても嬉しく、驚きました。- 高岡さん
そうでしたね。電話したのが最初でしたね。
今の場所で宿をはじめるにあたり、レストランの時にお願いしていた養鶏場さんと距離的に離れてしまったので、新しく卵をおさめてくれるところを探していたんです。
道の駅などで購入した卵を食べくらべて、いとうさんにしようということになり電話しました。Kasaneさんもいとうさんをすすめてくれたこともあります。- あやか
あの高岡さんが選んでくれた!と光栄でした。
- 高岡さん
新鮮なことはもちろんなんですが、正直なところ、大量注文でなくても、希望数を配達をしてくれることも魅力だったんです。
- たいき
農場直送でお届けするのが私たちのポリシーです!
他にも、高岡さんにとって、どんな卵が理想的なのか教えていただけますか?- 高岡さん
鮮度の良いものがいちばんですね。新鮮な卵は混ざらないです。いとうさんの卵は混ぜにくい。あとは、黄身はコクを出し、白身は膨らませてくれるものだと思っているので、それがきちんとできる卵を選んでいます。味や色は、あまり主張しない方がいいんです。
餌にいろいろ入れて強いコクや色を出したりしているものもありますが、うちの場合、「卵が主役です」という料理はないので、主張しすぎない卵がいいんですよ。
薪料理にたどり着くまで。
- たいき
タイマーの宿さんはオフグリットの宿なので、電気もガスも使われません。お料理も薪でされていますよね。これまでどんなお料理の世界を経験されたのか興味があります。
- 高岡さん
私の料理のキャリアのスタートは日本料理なんです。『この世で素材の個性を一番生かす料理は日本料理だ』と深く思い込んでいました。
しかし、カリフォルニアの「シェ・パニーズ」(カリフォルニア州バークレーにある、地元産の食材とオーガニックな材料を使うレストラン)で食べた野菜料理にハッとさせられました。カリフォルニアの野菜は苦くて辛くて刺激的な野菜が多いのですが、カリフォルニアのシェフは食材一つ一つの個性をまず理解し、そこから世界中の調理法の中で最適なものを選び、体が素直に美味しいと思える料理を作っています。
- あやか
素材に合わせて、世界の調理法から最適なものを選ぶって面白いですね。カリフォルニア料理ってどんな料理なんだろうと思っていましたが、単純に国別の料理でくくれるものではないんですね。
- 高岡さん
カリフォルニア料理に感銘を受けたあと、帰国して佐賀でタイマーカリフォルニアキッチンをオープンしました。地元にあるものを使うのがカリフォルニア料理のモットー。なので、佐賀で良い生産者に巡り会い、野菜はほぼ100%地元佐賀の野菜を使い料理できたのは嬉しかったです。
- あやか
野菜をとても美味しく食べさせてくれるレストランと評判でしたよね!
- 高岡さん
ただ、一方で、時間に追われる生活になっていました。なんのために働いているんだろうとか、子どもとの時間が削られてしまっていることに疑問が湧いてきたのです。レストランを閉めることにしました。
- あやか
大人気の裏に、そんなお悩みがあられたんですね。
タイマーの宿での過ごし方。
- 高岡さん
タイマーの宿には、ガスやコンセントがありません。エアコンもないんです。冷蔵庫も置いていません。
- あやか
冷蔵庫の代わりに、自然の環境を生かした保存をされていると伺いました。正直、私は家電やコンロがない生活は続けられません。
でも、それを実践されている高岡さん夫妻と、宿のコンセプトに共感した方が、全国からタイマーの宿を目がけてやってこられていますよね。(取材班、ここで有名なファッションデザイナーさんの名刺が壁に貼られているのを見つけて「わ〜!」と歓声)- 高岡さん
スマホが手放せない日常を送る方が多いじゃないですか。ここにいる間は、パソコンもスマホも忘れて、自然の明るさを感じてゆっくりと過ごしていただけたらと思っています。
(先ほど名刺を見つけた)デザイナーさんは、お仕事をされていましたよ。- あやか
タイマーの宿でどんなアイデアが浮かんでこられたんでしょうかね・・・薪のおふろもいろんなアイデアが浮かびそう。気になります!
薪の炎で焼く朝食のオムレツ。
- 高岡さん
宿のお客様に出している朝食のオムレツを作りますね。皆さん食べていってください!(この言葉に、取材スタッフ大喜び!)
- たいき
これがオムレツの材料ですか?野菜がいっぱい!色とりどりですね。
- 高岡さん
素材は全て近所の生産者さんのものです。
あ、よかったら、薪割りと薪をくべるのを手伝ってみませんか?- たいき
僕はアウトドアが好きなので外での料理や焚き火などもしていますが、食事の度にやるのは辛いな・・。たまにやるからできます(笑)でも良いですね、こういうの(かまど)欲しくなりました。アパートは無理でも、農場の方なら外でいくらでもできますし。
- 高岡さん
かまどはホームセンターで手ごろに買えますよ。是非やってみてください。
- 高岡さん
まずは野菜を炒めて、それから卵を溶いて・・・。いとうさんの卵は新鮮だから混ざりにくいですよ。卵を溶いたら、そこに炒めた野菜を入れてしまうんです。ちなみに、ボウルなどを使わずに食器で調理するのもこだわりのひとつだったりします。ステンレスの調理器具でなくても、器でできちゃいますし・・・。
- 高岡さん
こんな感じで火を通して・・・。
- あやか
薪の香り、野菜の香り、卵の香り。普段のお料理より、香りが強く感じるのがすごいです。
- 高岡さん
あ、ちょっと待っててください。(と、外に出る高岡さん)
「みんなを包み込むのが卵。」
(高岡さん)
- 高岡さん
どうぞ食べてみてください。塩でシンプルに。お花も食べられますよ。
- あやか
いい香り。薪料理のオムレツ、こんがり焼き目がついています。そして映えますね。あんなにたくさんの野菜がこのオムレツに入っているなんて。美味しいです。お野菜の苦味も美味しいです。お塩でペロッと食べられますね。
- 高岡さん
オムレツのすごいところは、なんでも包めることですね。オムレツに合わないものはないと思うんです。
- たいき
なるほど、みんなを包み込むからこそ、あんまり主張しないものがいいのですね。
- 高岡さん
そうですね。卵はそういう役割が求められることが多いのではないでしょうか。唯一、卵が合わないものがあるとしたら、ワインかな。それくらいしか浮かびません。
- あやか
じゃあ、ワインに合う卵ができたら、本当の意味での万能卵になれますね。挑戦してみようかな〜。できたら持っていきます!
- 高岡さん
はい!
最後は子ヤギちゃんと一緒に記念写真!